ブログ

2019.02.23

大人のはしか予防接種について

特に大阪では、はしか(麻疹)の流行が報道され、連日多数の方から問合せがあります。

そこで、当院での方針をまとめてみました。(諸説がありますので、あくまで当院での方針です)

まず、母子手帳やご両親から、罹患歴・予防接種歴をご確認の程、お願いします。 

 

<結論>:

昭和53年以前生まれ(41歳以上):

   罹患歴あり=接種不要。

   不明=1回接種を推奨。

昭和54年~平成2年生まれ(29~40歳):

   罹患歴あり=接種不要。

   1歳以上で1回あり=2回目の接種を推奨。

   接種歴も罹患歴もない、もしくは不明=1回目を速やかに施行。3-4年あけて2回目を推奨。

平成3年以降生まれ(28歳以下):

   罹患歴あり、もしくは2回接種歴あり=接種不要。

   1歳以上で1回あり=2回目の接種を推奨。

   接種歴も罹患歴もない、もしくは不明=1回目を速やかに施行。3-4年あけて2回目を推奨。

 

 

<定期接種の変遷>:

1966年(昭和41年):予防接種が開始(任意=希望者が有料でできる)

1978年(昭和53年):定期接種が開始(=市から通知あり、無料でできる)

1990年(平成2年):定期接種が2回に増える。(95%をより確実にするため)

 

<根拠>:

1978年(昭和53年)以前に生まれた方(41歳以上)は、

ワクチン接種歴がない可能性が高いですが、逆にこの時代は予防接種を受けている人が少ないため、周囲に麻疹患者がおり、感染力も強いため、まず罹患していると考えられています。

(実際、統計的にも抗体を持つ方がほとんどだったと言われています)。

 

昭和54年~平成2年生まれ(29~40歳)の方は、

定期接種が1回の世代で、抗体がある方と無い方が混在しています。現在は2回接種推奨ですので、トータル2回を目指します。

 

平成3年以降生まれ(28歳以下)の方は、

定期接種を2回受けているはずなので、ほぼ抗体はあると考えられています。もし2回接種を受けていない場合は、トータル2回を目指します。

 

 

 <麻疹ワクチンについて>

・1回の接種で、有効性は約95%、持続期間は20-30年と言われています。

・現在は抗体価にかかわらず、2回接種が推奨されています。

・但し実際に感染した場合は、予防接種よりはるかに強い免疫を得るため、2回目は不要です。

・妊婦、免疫抑制状態の方は接種できません。

・現在、麻疹単体のワクチンは製造していないため、麻疹風疹混合ワクチンとなります。

totop
WEB予約 LINE予約