今日は、大阪市内にある公立病院の集中治療室に勤務されている、T先生とお話ができましたので、シェアしたいと思います。
私:新型コロナ感染症の方が増えていると聞きますが、お忙しいですか?
T:そうですね。最近増えてきています。
私:先生から見て、新型コロナ感染症の特徴は何だとお考えですか?
T:あくまで私見ですが、3つあると考えています。
1)潜伏期間が長い。
一般的に、1~14日間と言われていますが、5日位が多いと言われています(WHO)。
感染可能期間は、発症2日前から発症後10日程度と言われており、感染性のピークは発症2日前から発症直後と言われています。
私:確かに、5日前何をしていたのか、すぐに思い出せないですね・・かつ、元気な時に排菌しているということですね。
T:インフルエンザであれば、すぐ高熱でて受診、検査をして休職しますが、そこが違いますね。
私:もし感染した場合の退院基準が「10日間経過」というのは、ここからですね。
T:そうです。最近は退院時の検査を省略することが増えました。
2)病態の割に自覚症状に乏しく、急変する
T: 本人は元気なのに、レントゲンではひどい肺炎が見つかることがあります。
発症から7-10日目当たりに突然呼吸不全になる方がおられます。昨日まで元気だった方なのに、次の日突然、人工呼吸器が必要になるケースです。「突然、呼吸が出来なくなった」と言われます。
私:その後はどうなりますか?
T:発症14日目くらいを無事乗り越えてくれれば、人工呼吸器を徐々に外していきます。60歳以上の方は年齢と共に徐々に難しくなります。
私:元気なら、普通受診はしないですよね。しかも、新型コロナだったとしても1週間で8割の方がそのまま軽快しますしね。
今のお話から、自宅で療養中に亡くなくなる理由がわかる気がします。
2)両側の肺に肺炎が出来ることが多い
T:普通の肺炎は片側性がほとんどですが、新型コロナの場合は両側に肺炎が出来ることが多いです。
これは、急変する理由の1つだと思います。
私:なるほど、肺は1つでも生きられると言いますから、両側やられると確かに厳しいですね。
まとめますと、
1)元気でも、周囲に菌をまいている可能性はある。
2)特に、風邪症状が出現してから1週間経っても症状が改善しない、もしくは息苦しくなった場合は、速やかに病院で検査してもらうこと。
「1週間」がキーワードな気がします。ぜひ、ご参考にしてください。