禁煙外来について
さまざまなご理由により、禁煙をしたいという方は少なくありません。
禁煙外来では、「禁煙補助薬」というお薬によって禁煙を目指します。薬剤の効果に加えて、「医師に診てもらっている」という適度な緊張感、「(特に初期に起こりやすい)離脱症状の辛さを医師に吐露できる」「乗り越えるためのアドバイスが受けられる」という安心感が、禁煙の成功を支えます。
喫煙が体に良くないということは誰もが理解しています。岡島内科クリニックでは、現在喫煙している人の「禁煙したい」という気持ちを応援します。
どうぞ、お気軽にご相談ください。
(現在チャンピクスはメーカー都合により出荷が停止しております。再開は未定です。)
たばこにはどんな害がある?
喫煙が体に良くないということは、誰もが知るところです。たばこの煙には、200種類以上の有害物質が含まれているのです。
では具体的に、どういった害が生じるのでしょうか。
全身のがんのリスクを高める
たばこの煙には、約60種類の発がん性物質が含まれています。これらの有害物質は主に肺胞、そして口腔・気道・胃・腸管から吸収され、血液に乗って全身へと運ばれます。
そして肺がん、喉頭がん、咽頭がん、口腔がん、胃がん、食道がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がんなど、さまざまながんのリスクを高めます。
心筋梗塞・脳卒中などの命に
関わる疾患のリスク因子である
喫煙には、LDLコレステロールを増やす・HDLコレステロールを減らす、血圧を上昇させるといった作用があります。これにより動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる疾患を引き起こすことがあります。
喫煙は、生活習慣病および動脈硬化、そして心筋梗塞・脳卒中などの重大なリスク要因となるのです。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の
主要原因である
慢性気管支炎や肺気腫といった病気の総称を「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と言います。たばこの煙の有害物質によって気道や肺胞に障害をきたし、息切れ、咳、痰などの症状が慢性化します。
辛く不快な症状がQOLを低下させるだけでなく、最悪の場合には死に至ることもあります。
家族やまわりの人の
受動喫煙を招く
喫煙者の口から吐かれる煙、たばこの先から立ちのぼる煙は、家族など周りの人の口や鼻からも吸い込まれ、これまでにご紹介した喫煙者本人が受ける害と同様の害を被ります。
特にたばこの先から立ちのぼる「副流煙」には、多くの有害物質が含まれています。
禁煙するメリット
ご自身の健康へのメリット
- さまざまな全身疾患のリスクを軽減・排除できます
- 息切れなどの症状が改善します
- 肌トラブルが起こりにくくなります
- 歯周病のリスクが軽減します
- 味覚の鋭さが回復し、ごはんを美味しく食べられます
- 睡眠の質が改善します
- 妊娠の可能性が高くなります
ご自身のライフスタイルへのメリット
- 喫煙所を探す手間、吸えないときのストレスから解放されます
- 喫煙にかけていた時間・お金を他のことに使えます
- 部屋が汚れなくなります
- 歯の着色が少なくなります
- まわりからのイメージが良くなります
ご家族へのメリット
- 受動喫煙がなくなり健康リスクが減少します
- 部屋が汚れなくなります
- 部屋、衣類などのにおいから解放されます
- 禁煙に成功したことで喜んでくれます
禁煙できないのは甘え?
以前は、「禁煙できないのは甘えだ」という意見が当たり前でした。特に非喫煙者にとっては、たばこを吸えないことの辛さが理解できないため、今もそういう風潮は残っています。
しかし科学的に考えると、禁煙ができないのは、身体的依存と心理的依存によるものであり、本人の意志の強さとはまた別の原因によるものと言えます。
身体的依存
ニコチンが脳の特定の神経細胞の受容体と結びつくことで、ドパミンが放出され、快感がもたらされます。
この快感を身体が覚えてしまったために、ニコチンが切れることでストレスを感じ、無意識にたばこを欲してしまうのです。
心理的依存
ドパミンの放出によって快感がもたらされる喫煙で、「気持ちが落ち着いた」「ホッとした」という経験がある方は少なくありません。また大仕事を終えて一服し、「達成感に浸った」ということもあるでしょう。
このように、「たばこ」と「良い記憶」が結び付いてしまうと、たばこそのものが良いことであるように思えてしまい、何でもないときにたばこを欲してしまうのです。
禁煙外来の保険適応条件
保険で禁煙治療を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。
過去1年間に保険での禁煙治療を受けていない方のうち、以下のすべてに該当する場合に限り、保険での禁煙治療が可能です。
- ニコチン依存症テストで、「ニコチン依存症」の判定が出た
- 【1日の喫煙本数×喫煙年数】の値が200以上(35歳以上の方のみ必須条件)
- すぐに禁煙することを希望している
- 医師から禁煙治療について説明を受け、その治療を受けることに文書で同意している
ニコチン依存症テスト
問1 | 自分で吸うつもりだったよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまったことがある |
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問2 | 禁煙しよう、本数を減らそうとして、できなかったことがある |
問3 | 禁煙しよう、本数を減らそうとしたとき、たばこがほしくてほしくてたまらなくなったことがある |
問4 | 禁煙しよう、本数を減らそうとしたとき、イライラ・神経質・落ち着かない・集中しにくい・憂鬱・頭痛・眠気・胃のむかつき・徐脈・手のふるえ・食欲亢進また体重増加のうち1つ以上の症状が出た |
問5 | 『問4』で挙げた症状を消すために、またたばこを吸い始めたことがある |
問6 | 重い病気にかかったとき、たばこが身体に良くないと分かっていながら吸ったことがある |
問7 | たばこのために自身に健康問題が起きていると分かっていながら吸ったことがある |
問8 | たばこのために自身に精神的問題が起きていると分かっていながら吸ったことがある |
問9 | 自分がたばこに依存していると感じたことがある |
問10 | たばこが吸えない仕事・付き合いを避けることが何度かあった |
問1~10についての回答が「はい」であれば1点、「いいえ」であれば0点として計算し、合計スコアが5点であれば、ニコチン依存症の診断がなされます。
当院で取り扱う禁煙補助薬
岡島内科クリニックの禁煙外来では、貼り薬のニコチンパッチ、飲み薬のチャンピックスを処方しております。
患者さんのご希望、ライフスタイルに応じて、適切なものを処方いたします。
ニコチンパッチ
貼り薬です。皮膚からニコチンを吸収させ、たばこを吸えない辛さを和らげます。パッチのサイズを徐々に小さくし(ニコチンの含有量の少ないものへと変更していき)、離脱症状を軽減させながら、禁煙を目指します。
薬局やドラッグストアなどでも購入できますが、医療機関で処方されるものの方が用量が多くなります。特に喫煙本数が多い方で、ニコチンパッチを希望する場合には、医療機関で処方されたものを使用することをおすすめします。
チャンピックス
飲み薬です。ニコチンパッチとは異なり、ニコチンは含まれていません。成分が脳の中のニコチン受容体に作用することで、離脱症状を和らげます。また、喫煙による快感を抑制する(まずく感じさせる)作用もあることから、禁煙成功率はニコチンパッチの約1.5倍となります。
またニコチンパッチとは異なり、薬局やドラッグストアで購入することはできません。医療機関を受診し、処方を受ける必要があります。
(現在チャンピックスはメーカー都合により出荷が停止しております。再開は未定です。)
禁煙外来の費用
治療期間は、12週間(3カ月間)となります。
保険診療の対象にならない場合には、自費の扱いとなります。
保険 | 自費 | |
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診察料+薬剤代の費用 | 18,000円前後(3割負担) 6,000円前後(1割負担) |
約60,000円 |
※自費診療の費用については税込みの表示となります。
禁煙は2~3日目が
離脱症状のピークです
「禁煙治療期間中はずっと辛い」というイメージがあるようですが、実は離脱症状のピークは禁煙を初めて2~3日です。この期間は、離脱症状が強く現れます。
ただ、逆に言うとそれ以降は徐々に楽になってきます。禁煙治療はしばしば「最初の1週間が大切」と言われますがまさにその通りで、ピークを乗り越えると禁煙の成功率は高くなります。
もちろん、その後もまったく辛くないというわけではありません。口寂しさもあるでしょう。岡島内科クリニックでは、禁煙補助薬の処方だけでなく、禁煙を成功させるためのアドバイスも行っておりますので、安心してご相談ください。